南半球でのオーロラ体験
自然が好きな方なら「一生に一度はオーロラを見てみたい」と思われたことがあるのではないでしょうか?そういう筆者もかれこれ20年以上も前に、高校の短期留学で初めてニュージーランド最南端のインバーカーギルを訪れた際、ホストファミリーに「ここではオーロラが見えることもあるんだよ」と言われたことがありました。当時は英語がよくわからなかったので、聞き間違えかと思っていましたが、その5年後に再び仕事で訪れたインバーカーギルで「今夜はオーロラが見えるかもしれないよ」と言われときは驚きつつもすっかりその気になって観測するつもりでした。しかし寒さと眠気で結局外に出ることができなかったという、今では笑い話になっています。
そう、北半球での観測イメージが強いオーロラは、ここ南半球のニュージーランドでも見ることができます。実際、先月(2018年4月)末にも、広範囲でオーロラが観測されました。パーマストンノースから車で1時間半ほど南に行った首都ウェリントンでは多くの人が美しい夜空の彩りを鑑賞しました。
夜空に様々な色が変化していく模様はとても幻想的ですが、なぜオーロラが見えるのでしょうか?不思議ですよね。
そこには、太陽から放出されるプラズマ(電気を帯びた粒子)が深く関係しています。太陽から放出されたプラズマが太陽風にのって長い距離を旅して地球に届いたとき、地球の北と南の地球磁石に引き寄せられます。磁石に引き寄せられたプラズマが地球の大気に入ったとき、大気中の酸素原子や窒素原子と衝突して跳ね返され、その後すぐまたまた地球の周りの磁石の軌道に戻ろうとします。その時にエネルギーが放出され、様々な色に発光するのです。そしてプリズマが磁石の線に沿って降り注ぐとき、オーロラが観測されるのです。
オーロラの色は「赤」「緑」「紫」などがあります。放出されるエネルギーが強いと紫に近く、弱いほど赤く光ります。緑色はその中間です。段階的な色彩のある「虹」とは違い、オーロラはある適度決まった色でしか発光しません。
また南半球で観測されるオーロラはSouthern LightsまたはAurora Australisといって赤い色(エネルギーが弱い)が多く、北半球のオーロラはNorthern LightsまたはAurora Borealisといって緑色(中間)が多いです。
ニュージーランドは、南極に近いことなどから、圧倒的で神秘的な地球や宇宙を体験できる機会がたくさんあります。一般の人でも南極に行けるツアーもあります(https://www.coolantarctica.com/)。
ただこれは大変高価なツアーなので、もっと身近に南極を体験したいのであれば、まずは南島クライストチャーチの空港から10分ほどの距離にある「国際南極センター(International Antarctic Center)
を体験してもいいかもしれません。十分本格的な南極体験を楽しむこともできます。
https://www.newzealand.com/jp/plan/business/international-antarctic-centre/
また、オークランドにはNASAも認める宇宙ロケットの会社(Rocket Lab)があります。https://www.rocketlabusa.com/
世界から隔離されているように見えるニュージーランドは、実に様々な可能性を秘めた国ではないでしょうか。オーロラ観測をはじめ、地球や宇宙の神秘的な流れを肌で感じることができる貴重な機会に触れることがたくさんあるのも、ニュージーランド留学の魅力の一つと言えるでしょう。