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ニュージーランドの9月は桜の季節


南半球の9月。ニュージーランドは桜の季節です。 パーマストンノースでは、エスプラナード公園と私立高等教育機関のIPU(インターナショナル・パシフィック大学)キャンパスが桜の名所として知られていますが、それ以外にも街や住宅地などそこかしこに花盛りの桜樹を目にすることができます。すっかり観賞用として定着しているニュージーランドの桜ですが、元々は日本が何か関係しているのでしょうか? 調べてみると、すでに1921年にはエスプラナード公園の桜が植樹されており、日本との交流も皆無であった時代背景を考えると、ワシントンDCのように日本から「友好の印」として贈られたものではないようですね。やはり元々は春に咲く綺麗な花の一つとして紹介されたのでしょうが、桜が並木となって数多く植樹されている場所に限って言えば、樹齢も若く見えるため、NZで日本の認知度が急速に高まった1980年代以降の、「日本の桜」のイメージが多かれ少なかれ反映しているように思われます。ソメイヨシノに似た桜や小ぶりなしだれ桜、あるいは白っぽいものやピンクがかったものなど、NZで見られる桜も多種多様。

オークランドやクライストチャーチをはじめ、NZだけでなく世界中で「桜祭り」あるいは「チェリーブラッサム・フェスティバル」が春に開催されていますが、こういった「桜」をテーマにした催事は日系移民や現地在留邦人が中心になって企画実施されることがほとんどです。規模が大きくなり、認知度が高まるにつれて「hanami(花見)」という言葉も紹介され、日本好きの現地人から認知されてきているようです。もちろんゴザを敷いて花見酒...というのではなく、散策どまりですが。

インターナショナル・パシフィック大学の「桜祭り」が「スプリング・フェスティバル」と名称を変えて、日本的な「お祭」からより国際性を打ち出したものに変わってから久しいですが、今年新たにパーマストンノースで「桜」や「満開の色とりどりの花」に焦点を当てた春のイベントが始まることになりました。パーマストンノース市のコミュニティ・アーツ(アート文化事業部)が主体となって「Colours of Spring Blossom Festival」というイベントが9月23日(土)に開催されます。スクエア広場周辺で特に桜の木が密集しているColeman Mallと呼ばれるエリアを舞台に、満開の桜を楽しもう、というコンセプトです。Coleman Mallはカフェ・レストランが多く集まる場所でもあり、近くにはギャラリーや美術館、図書館もあります。当日は多くのストリートアートやミニコンサートも予定されており、「花見」とアート&クラフト、音楽、そしてフードを掛け合わせたユニークな試みとなっています。

この時期のNZの天候は不規則。最近では、晴れていたかと思いきやいきなり雹(ひょう)の嵐になり、雹が雪のごとく積もるという珍しい出来事もパーマストンノースで起きました。厳しい風雨に耐えなければいけないことが多いNZの桜。日本のものに比べると、多少の風ではビクともしないくらいのタフさを備えているように見えるのは、気のせいでしょうか。イベント当日に晴天に恵まれることを願っています。

追記:日本の象徴とも言えるこの桜の木が大好きな鳥がいます。NZ原産のTui(テュイ)は桜の蜜が好きなようで、満開の桜とTuiの組み合わせは春の風物詩。まるで日本とNZの友好の証のようにも見えてきます。

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