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11月の移民法改定にあたって


ニュージーランド留学の目的はなんでしょうか?

「国際感覚」を身につけ、「英語」をマスターして「卒業」後、日本に帰国するという「帰国することが前提」の留学。これが日本における一般的な留学スタイルでした。しかし、たとえば高校卒業後、大学や高等教育機関で「学位を取得し、就職する」という、NZで働き、暮らすことを前提とした「海外居住の礎」としての留学も考えられます。日本人以外多くの海外からの留学生にとってのニュージーランド留学は、その先の移住が真の目的で、日本人のように帰国前提は珍しいと言えます。もちろん日本人留学生の中にも、NZに残りたい、ずっと住み続けたいという学生も少なからずいます。さて今回は大学卒業後のビザの話です。

2018年11月26日に移民法改正事項が発効となります。高等教育機関において学士号(NZQF Level 7)以上のプログラムに在籍している学生は、卒業後、「3年間」のオープンワークビザ(卒業生ビザ)が自動的に発給されることになりました。改正前のビザ発給期間は1年間(*1)であり、原則的に取得した専攻分野に関連のある職種に限って労働が認められていましたが、期間が3年間に大幅に延長された上、オープンビザ、つまり専攻に関係なく、どんな仕事にも就けるということになりました。

ただし、これを手放しに喜んでいいかどうかは、その後の本人の目的や自覚、覚悟次第と言えるかもしれません。

与えられた3年間で、仕事の専門性、知識、技術を高める、ネットワークを広げる、あるいは人間力を高める等、確実にステップアップをしていければ、その後の「就職」「永住権取得」に繋がると言えますが、例えば今後は、カフェのウェイトスタッフや寿司ショップの販売スタッフとして3年間働くというのも可能になります。その場合は、3年後に就職につながらず結局帰国...というのが容易に想像できます。その経歴が日本での就職活動に役立つとも思えないため、安易に「無駄な3年間」を過ごしてしまう可能性もあるわけです。

一見、NZ政府の太っ腹にも見える移民法改正ですが、「目的意識」によって「吉」にも「凶」にもなり得ますので、学位取得希望者で、卒業後のNZ滞在を希望する方には注意が必要です。ぜひ「その後」の目的や明確なキャリア像を考え、大学やポリテクニックなどの高等教育機関学校や専攻、取得する学位を決めていただければと思います。

なお学士以外のNZQF Level 4〜7のディプロマプログラム等では、卒業後のオープンワークビザの期間は2年間となりますが、「オークランド」では「1年間」しか認められていないため、注意が必要です。クライストチャーチ震災の復興事業等、地方活性化の流れもあり、オークランドよりも人材が求められている地方都市もあるため、その観点での留学先選択や仕事選びもいいかもしれません。

*1 雇用主の同意があれば3年間の延長が可能であった

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