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せっかくだからマオリ語に親しもう


例えば日本なら「札幌」、アメリカなら「シアトル」。普段あまり気にすることもない都市名ですが、改めて日本語っぽくない、英語っぽくない、ふと何だろうこの不思議な語感は?と思ったことはありませんか?

ご存知の通り、これらは先住民族の言語や名前が使われた都市名です。例えばニュージーランドならロトルア、タウポ、タウランガ、ファンガレイ、ワンガヌイ、ポリルア...英語圏の国なのに全然英語っぽくない都市名は、もちろんマオリ語の由来。国内旅行をするだけで、否応無しに目に入り、耳にする「マオリ語」は、「英語」と「ニュージーランド手語」とともにNZの正式言語です。長期滞在するのなら、基本中の基本くらいは押さえておいてもいいかもしれません。母音と子音の組み合わせの発音システムは日本語と同じで、実は英語ネイティブよりも優位なアドバンテージがあります。 【挨拶】

- haere mai = welcome(ハエレマイ。空港などで必ず目にする言葉) - kia ora = hello(カジュアルな挨拶。キオーラやキョーラに聞こえる) - tena kotou = hello(テナコトウ。フォーマルな挨拶) - ka kite = see you(カキテ)

Kia oraはテレビのアナウンサーも使う、マオリ語というよりもNZ語の主要フレーズとして普段使用されるので必須。出会った相手がマオリの方だと高い確率でマオリ語で挨拶をされます。

【ニュージーランド】

- Aotearoa = New Zealand(アオ=土地、テア=白い、ロア=長い。白く長い雲のたなびく地) - Kiwi = New Zealander(キウィ=ニュージーランド人)

- Pakeha = Mon-Maori New Zealander(パケハ=主に白人のニュージーランド人を指す)

基本中の基本、ニュージーランドとニュージーランド人。ニュージーランドで暮らすと日常の中で、kiwi(キウィ)によく似た響きのiwi(イウィ)という言葉を目にしたり、耳にします。iwiはtribe、つまり部族という意味。マオリ文化では、お互いがどの部族の出であるかを重要視します。過去に遡り、どの船でNZにたどり着いたかまでが、先祖から現在に続くアイデンティティーとなります。

【数字】 1 = tahi、2 = rua、3 = toru、4 = whā、5 = rima

6 = ono、7 = whitu、8 = waru、9 = iwa、10 = tekau (タヒ、ルア、トル、ファ、リマ、オノ、フィツ、ワル、イワ、テカウ)

数字は日本語に聞こえるものも多く、日本人には覚えやすいでしょう。10まではぜひ。

【マオリ族にとって重要な場所】

- marae = courtyard(マラエ=マオリ族の集合場所。日本でいうと神社と公民館が合体したような存在) - pa = Māori villages, hill forts(パ=マオリ族の集落、砦)

車を運転していると、特に郊外の道路沿いでこれらの標識を見かけます。こういった場所の中には遺跡のような形で保存、整備されていて一般人でも立入ることのできるところもあるので、歴史やマオリ文化に興味がある方はぜひ訪問してみてください。

- wai = water(ワイ=水)

日本と同じく海に囲まれて、河川の多いこの国には「水」に関連する言葉、地名が多いようです。キーワードは「ワイ」。日本の「さんずい」のような存在でしょうか。闇に光る土ボタルで有名なワイトモ鍾乳洞、マオリの権利を認める条約が締結された地として知られる海沿いの街ワイタンギ、大学とNZ一を誇る河で有名な地方、ワイカトなど。

- moana = ocean(モアナ=海)

ディズニーアニメでもお馴染みになった、ポリネシアの島々の共通ワード。

【ハワイ語と似ているあの言葉】 - aroha = love(アロハ=愛)

ハワイもNZも同じポリネシア言語圏なので音や語彙の多くが似ています。ハワイ語のaloha「こんにちは」が、NZで'L'が'R'になって「愛」という意に。おそらく語源は同じ(?)。

【装飾文化】

- moko = tattoo(モコ=刺青)

日本とともに世界的に有名なマオリ伝統文化が刺青。日本では、刺青の意味や意義も時代とともに大きく変化していますが(過去を遡れば、アイヌ文化の刺青はマオリ文化と同じような意義でしたが、江戸時代ではあくまでも町人たちの「粋な」ファッションの一部でした。それが今では...)、ニュージーランドでも伝統的なモコと西洋タトゥーは、二極化から徐々に融合しているようにも見受けられます。 【紛らわしいけれど、どれもよく目にする重要マオリワード】 - rangi = sky(ランギ=空。地名に多く使われる) - tangi = mourn(タンギ=葬式)

- hangi = steamed meal in earth-oven(ハンギ=土の中で蒸し焼きにする伝統的調理方法)

Tangi=葬式は現在でも食べて歌って、明るく楽しくという雰囲気の中(そうでないと長くできないですよね)、通常3日間ほど行われます。ちなみに結婚式も同程度かそれ以上の労力、資金が必要とされることもあるため、マオリのカップルの間では挙式が敬遠され、事実婚が多いのも事実です。Tangiは「哀しみ」という意でも使われ、rangiとともに地名の一部としても多く見かけます。 他にも、キウィの次に認知度が高いと思われるマオリ語haka、ニュージーランド航空のマークや翡翠のお守りでもおなじみのkoruなど、例を挙げたらきりがありません。kura、kawana、hakari、taiko、makinoのような日本語みたいな言葉も。日本人にとって何か懐かしい響きを持ったNZ先住民族の言語、NZ滞在中に親しむのも、また違った文化体験になるのではないでしょうか。

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