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アーダーン首相が6月に出産予定


ニュージーランドの歴史上で最もポピュラーな首相の一人であったジョン・キー首相が、「家族との時間を大切にしたい」との理由で首相職を辞任したのは2016年末も近い12月12日のことでした。「家庭の事情」で首相を辞めることについて国際的な議論が湧いたのも記憶に新しいですね。それから約2年、NZ首相が再び政治以外のことで国際的な話題になっています。すでにご存知の方も多いと思いますが、現首相ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相が6月に出産予定だと明らかにしました。

自宅前での記者会見は、夫であるクラーク・ゲイフォード(Clarke Gayford)さんのカジュアルな身なりが印象的で、良くも悪くもニュージーランドという国をよく象徴しているように思えます(日本だったら、こんなのに国のトップが務まるか?という声が聞こえてきそうですね)。世界的には、どちらかというと芸能ニュース的に盛り上がりそうな内容ですが、NZ国内的にはまた違った視線でこのニュースを捉えている人たちも多いはずです。それはアーダーン首相が産休を取得する6月の6週間の期間に、現在の副首相であるウィンストン・ピーターズ(Winston Peters)氏が首相代理を務めるからです。

2016年にキー首相が辞任した際はスライド式に、キー首相が党首を務めた国民党のナンバー2であるビル・イングリッシュ副首相が自動的に新首相に任命されましたが、今回は何せ連立政権であり、ピーターズ氏は、NZで最も右寄りでタカ派のNZファースト党の党首。1978年の初当選以来、保守的で厳しい移民政策や、首相への強い意欲を押し隠さず前面に出すことで知られています。日本でいうと石原慎太郎氏のような存在でしょうか。

とは言っても6週間の首相の座。いくらNZの政治のスピードが早いと言えども、あくまでも代理なのでそこまで大それたことはできないだろうというのがメディアの見方のようです。ただし、「非核国」NZが結果的に世界的に知られる要因ともなった1985年の:

「アメリカ軍の原子力空母のNZ政府による寄港拒否」→「アメリカ政府による経済制裁」

は首相不在時の首相代理による単独決断でした。国としてのアイデンティティーやポリシーを守るのか?経済を優先するのか? 首相代理には難しい判断だったはずですが、それ以来米空母はNZに近づいていません。6週間の天下にピーターズ首相はどのような采配をするのでしょうか。まだまだ先の話ではありますが、国民の注目が集まっています。

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