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年金の話

  • aohno8
  • 6月1日
  • 読了時間: 3分

 日本では基礎年金底上げ修正案が大きなニュースになっていますね。ニュージーランドでも、確定拠出年金の一部が変更になり国民の大きな関心を集めています。そこで今回は、ニュージーランドの年金制度についてお話しします。日本では国民年金、厚生年金、共済年金などいくつかの種類があり、どの年金でも掛け金を支払わなければなりませんよね。でもニュージーランドの年金は全て税金で賄われており、掛け金の支払いはありません。但し、年金の給付を受けるにはいくつかの条件を満たしている必要があります。


・ニュージーランド国籍、もしくは永住権を所持している

・ニュージーランドもしくはクック諸島、ニウエ、トケラウ、社会保障協定を結ぶでいる国に居住している(日本在住でもニュージーランドの年金を受け取ることができます)

・50歳以上の5年間を含め、一定期間以上ニュージーランドに居住している(生まれ年によって年数は違いますが、1977年7月1日以降生まれは20歳を超えてから20年)


 上記の条件を満たせば、自動的に年金を受給できます。年金給付開始年齢は現在65歳となっていますが、今後開始年齢は上がると言われています。支給額は2週で一人当たり$581.66から$1076.84となります。支給額は家族構成、収入などによって大きく変動します。例えば単身世帯の場合は2週で$1076.84となりますが、夫婦世帯の場合は2週で1人当たり$828.34となります(共に年金以外の収入がない場合)。


 ちなみに社会保障協定国から年金をもらっている場合は、その支給額が引かれ総額が同じになるように調整されます。日本人の場合、掛け金を支払って受給している年金なのに、その分を引かれてしまうのはちょっと納得がいかない気がしますが…。それはさておき、物価上昇が激しいニュージーランド。そして日本人のように貯蓄をしない国民性では、国民年金だけでは老後不安が。そこで政府は、2007年からキーウィーセイバーという、確定型拠出年金を導入しました。これは日本でいうiDeCoのようなものです。キーウィーセイバーとは、簡単に言うと雇用主と従業員が給与額から一定のパーセンテージを個人のキーウィーセイバーのアカウントに拠出し、それを自身が選んだプロバイダーで資金運用してもらいます。会社勤めをしていない学生や主婦などは、個人の拠出額のみでの運用となります。資金運用はハイリスクハイリターン、ローリスクリーリターン、バランスなど様々な運用形態から選択ができます。加入を促進するため、導入当初は、キックスタートとして、政府から1000ドルを受け取ることができました。また、政府は、個人が年間1042.86ドル以上拠出した場合、政府拠出としてその521.43ドルを限度として毎年個人口座に振り込んでいました。それが2025年度予算案では、政府拠出限度額260.72ドルに引き下げられる事になりました。また年収上限を設け、年収180000ドル以上の所得者は、政府拠出の対象外となりました。これによって政府拠出は減りましたが、会社拠出額は2028年までに現在の3%から段階的に4%に引き上げられます。

 ちなみに個人は3%、4%、6%、8%、10%から選択できます。雇用主は最低パーセンテージのみ決められており、雇用主と従業員が同意すればそのパーセンテージを上げることは可能です。政府の拠出は減らしつ、その分を企業に負担させていくのはどうかと思いますが、従業員としては引き続き政府及び企業からのサポートがあるのは嬉しい限りですね。



 
 
 

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