ニュージーランドのクリスマス
当たり前ですが、国が変われば文化も変わります。今回は日本とは違うニュージーランド的年末年始の過ごし方です。
日本ではクリスマス商戦と言われるほど、商業的にクリスマスが展開されますよね。ニュージーランド人にとって(特に子どもにとって)クリスマスは一大イベントですが、ここニュージーランドのクリスマスはもっと家庭的です。日本ではクリスマスには友達やカップルなどで外に出掛けてお祝いをするのでしょうが、ニュージーランドでは家族みんなで自宅でお祝いします。日本のお正月のイメージといえば良いのでしょうか?おじいちゃんおばあちゃんの家に、子ども、孫、時には曾孫までみんなが集まり、クリスマスディナーを囲みます。クリスマスディナーというと日本人の私はターキーを思い浮かべますが、ここでは大きな塊のハムをおばあちゃんやお母さんがオーブンで何時間もかけて焼くクリスマスハムが主流です。外側に切れ目をいれてパイナップルなどでデコレーションをします。
クリスマスの準備は12月に入るとすぐに始まります。まずはクリスマスツリーの飾りつけ。私の勝手な憶測ですが、ニュージーランドの家庭ではほぼ100%クリスマスツリーがあると思って間違いないでしょう。そのくらいクリスマスはニュージーランド人にとって一大イベントなのです。12月上旬になると“クリスマスツリー50ドル”などの看板を通りで良く見かけます。本物の木でできたクリスマスツリーを売っているのです。日本だとおもちゃ屋さんやディスカウントショップで買ってきたツリーが主流かと思いますが、ニュージーランドでは本物の木をツリーに使う家庭が多いのです。毎年50ドル掛かるとなるとちょっとと私的には思いますが、雰囲気は抜群です。また家に配達してくれ、クリスマスが終わると引き取りに来てくれるので、捨てる心配もありません。ちなみにクリスマスツリーは1月6日に片付けるのが正式なのだとこの間ニュージーランド人の友達に教えてもらいました。12 DAYS OF CHRISTMASという歌※をご存知でしょうか。歌では1月6日の公現祭の日まで毎日プレゼントを歌詞に追加して歌っています。公現祭より前にツリーを片付けてしまうとプレゼントが貰えない、だからこの日まではツリーを片付けてはいけないという事だそうです。
12月になるとショッピングセンターや家電量販店などでサンタクロースと写真を撮ることができます。写真だけでなく、キーホルダーにしたり、カレンダーにする事ができます。ニュージーランドは南半球なので夏のクリスマスです。夏のサンタクロースといくと某飲料会社の影響で半袖短パンのサーフボードに乗ったサンタクロースを思い浮かべますが、ニュージーランドのサンタクロースはちゃんと北半球の冬のサンタクロースと同じ格好です。
子供たちが期待に胸を膨らませているのはクリスマスプレゼントですが、大人達が期待に胸を膨らませているのはボクシングデーセール。クリスマスの25日はガソリンスタンド以外スーパーなども含めほぼ全てのお店が休みとなり街中はひっそりとしています。レストランも空いている所はほとんどありません。一転26日はボクシングデーセールで特にシッピングセンターなどは多くの人で賑わいます。日本で言う初売りみたいなものでしょうか。ニュージーランド人もセールには目がないようです。
カフェやレストラン、ホテルなどお客さんと直接関る仕事以外の人達は、クリスマスシーズンに長い休みをとります。短くても1~2週間、長い人だと1ヶ月くらい休みをとって家族とのんびり過ごしたり、旅行に行ったりします。最近のオークランドの通勤時間帯は渋滞だらけなので渋滞も珍しくなくなってきたのですが、クリスマスホリデー初日はオークランドを離れる人達でものすごい渋滞が発生します。今年の記録は35キロだそうです。日本でもお盆やゴールデンウィークなど、30キロを超える渋滞が発生しますが、どこの国でも同じなんですね。ちなみに行き先はというと、海沿いの田舎が多いです。ボート保有率世界一のニュージーランドのホリデーは、多くの車がボートを牽引して出掛けます。日本同様海に囲まれているニュージーランドは釣り天国!オークランドでも鯛やイカなどが釣れますが、田舎の方に行くと桟橋からでもポンポンと釣れますし、ボートに乗れば言わずもがな!! さらに雲丹や鮑、あさりに似たコックルという貝なども取れます。日本では漁業権の関係で取ってはいけないものも、ニュージーランドでは個数やサイズこそ決まっていますが、一般人が取ることができます。
そんなクリスマスも終わり(クリスマスホリデーは続いていますが)もう2019年も終わりですね。2019年はどんな年でしたか?2020年オリンピックイヤー、みなさんにとって素晴らしい年になりますように。
※『The Twelve Days of Christmas/クリスマスの12日』は、ヨーロッパに16世紀頃から伝わるクリスマスキャロル。
タイトルにも登場する「12日(The Twelve Days)」とは、クリスマスの日(12月25日)から公現祭(1月6日)までの12日間を指しています