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世界ランキングから見る「NZの本当の姿」


今回は、ニュージーランドを教育関連以外のことを世界ランキング(特にトップ10)の観点で見ていきたいと思います。(世界の中におけるニュージーランドの教育事情については「ニュージーランドの教育力(OECDレポートで分かったこと:その1&その2)」をご参照ください。)

NZは「平和」「安全」といった言葉で括られがちですが、実際はどのような点が評価されているのでしょうか。世界ランキングにはさまざなカテゴリーがありますが、NZがトップ10に入っているものだけに焦点を当てると、以下のようなものに絞られてきます(これが全てでなく、他にもランクインされているものも数多くあります)。

- 生活の豊かさ。住みやすさ【1位】 (Global Prosperity Index) - ビジネスの起こしやしさ【1位】 (Ease Of Starting a Business Index) - 政治の透明度(汚職の少なさ)【2位】 (Corruption Perceptions Index) - 経営の行いやすさ【2位】 (Ease Of Doing Business Index) - 経済の自由度【3位】 (List of countries by economic freedom) - 平和度【4位】 (Global Peace Index) - 環境活動度【7位】 (Environmental Performance Index) - 報道の自由度【8位】 (Press freedom) - 国民の幸せ度【8位】 (Happiest Countries List)                            (以上全て2016年度結果による)

ただ単に平和、安全なだけでなく、NZは「健全」かつ「倫理的」であり、「国民も幸福」な国であるということが見えてきます。しかしながら、国としての経済力はこれらのランキングでは見えてきません。企業単位で見ていくと:

- 航空会社国際ランキング「NZ航空」【1位】

- 乳製品企業国際ランキング「フォンテラ」【4位】

- 世界トップ10映画スタジオツアー「WETAスタジオ」【トップ10評価】

NZ航空は4年連続でトップ。NZを代表する乳製品会社「フォンテラ」が明治乳業や森永乳業を抑えての4位ランクイン。そして「ロード・オブ・ザ・リングス」製作で有名な映画スタジオ「WETAスタジオ」のスタジオツアーが、ハリウッドのワーナースタジオやロンドンのハリーポッタースタジオと並んで、世界トップ10スタジオツアーに選ばれています。このようにNZには「旅行」「酪農」そして「映画」の顔があるというのが分かります。

酪農国であるNZは周知のように羊で有名ですが、農林関連生産量世界トップ5に入るものとしては:

- キウィフルーツ【3位】 - 羊肉【3位】 - 羊毛【3位】

の3項目があります(ちなみに日本はキャベツ【4位】、ほうれん草【3位】、卵【4位】、紙製品【3位】の4項目がランクインしています)。

以上のようにさまざまな世界トップ10ランキングからNZを改めて見直してみましたが、次にNZが特に低くランクされているものに触れてみることにしましょう。NZのランキングが低いものとしては、ラグビー以外のチームスポーツが挙げられます。

- サッカー【112位】

- 野球【26位】

面白いのは男子ソフトボールは世界ランクナンバーワンだということ。ソフトボールの選手が野球を選択していたら、オーストラリア(現在10位)くらいにはなっていたかもしれませんね。現在、巨人の元選手がニュージーランドで野球を普及させるべく、コーチングと啓蒙活動を行っているようですので、今後のレベルアップに期待ができそうです。逆にめっきり強いのは個人スポーツで、その数値はオリンピックの結果に顕著に表れています。絶対的人口が少ないニュージーランドや北欧の国では、全体的なメダル獲得数より人口比による獲得率(Medals per Capita)が重視されます。リオ大会では、NZ国民25万人につきメダル1個獲得ということで、この数値は人口が100万人以上の国ではジャマイカとともに突出しています(日本は300万人に1個、アメリカは265万人に1個)。実はこの国がとんでもなくスポーツ王国だということが分かります。

ランクが低ければ低い方がいいものの代表例が犯罪率です。特にNZの殺人率は低く、218国中202位(日本は115位)で世界トップクラスの「安全な国」であることを証明している反面、刑務所に投獄された犯罪者の総人口における割合は高く、59位(日本は175位)となっており、NZの軽犯罪(特に空巣や自動車盗難)の多さを数値が示しています。この数値は留学生にも関係してくることであり、この国は「危険ではないが、ものを盗まれる可能性は高い」という意識も持つことが大事になります。留学生の皆さんには、戸締りや貴重品の管理には十分注意してほしいと思います。

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