中古住宅の話
サマータイムが始まったお陰で日が暮れるのが一気に遅くなり、気分だけは夏になってきました。晴れた日でも風があるとまだ肌寒く感じます。
以前ほどの活気はありませんが、未だに不動産価格は小幅ながら上昇を続けています。オークランド近郊では今まで野原だった場所を開発し、新たな街が出来たりしています。郊外の家でも新築の場合、タウンハウススタイルで70〜80万ドル、一戸建てになると100万ドルを超えてきます。家は必要でも、この金額になるとなかなか手が出ないですよね。日本では築年数が経つと家の価値がなくなると言われていますが、ここニュージーランドでは古くなっても家自体の価値はそれほど落ちません。今では考えられませんが、特に古い家などではカウリの木を使っている家などもあります。今回はそんな物を大切にするニュージーランドの、ちょっとユニークな中古住宅についてです。
ニュージーランドでは中古住宅を販売している会社があります。こう言うと、「中古の家なんてニュージーランドでも日本でも、世界のどこでも普通に売っているでしょ」と思いませんか?そんな事ないんです。ここで言う中古住宅は、土地なしの家だけという意味です。そう、本当に中古の家だけを売っているのです。想像つきますか?家だけを売っている状態。私も初めて見たときはビックリしました。日本で家を建て替える場合、古い家は取り壊しますよね。でもニュージーランドでは、その古い家が売れるんです。そしてそれを買う人がいる。何というリサイクル魂。ではどんな風に家を移動させるかというと、まずジャッキアップして家全体を持ち上げます。そして大型トレーラーを家の下に滑り込ませ、家をトレーラーに載せます。あとは運ぶだけですね。でも家は大きいので夜中の車の少ない時間帯に運びます。
想像してみてください。大きな家が道路を移動している姿を。圧巻です。その家は中古住宅を売っている会社で保管され、新しいオーナーが現れるのを待ちます。土地があれば、新築を建てるより安く済むという事で、こんな需要もあるんですね。日本では考えられませんが。でもちょっと気になるのは、運んだりしているときに家が歪んだりしないのかなって。細かい事は気にしないニュージーランドだから出来るのかもしれませんね。
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