モーターウェイがケーブルカーに?
車社会のニュージーランド。現在人口が510万人を超え、この10年で約70万人増加したために、現在各都市で渋滞が深刻な問題になっています。オークランドでは都市住民の40%が渋滞が大きな問題だと考えています。朝夕のモーターウェイなどは特に渋滞が激しく、一般道でも夕方の渋滞は酷さが増しています。そんな中渋滞解消に向けて新たな構想が出てきています。
1つ目はモーターウェイの渋滞料です。これはオークランドのモーターウェイが一番混雑する午前7時から9時と、午後4時半から6時半に指定された区間を走行する場合に、渋滞料として1回あたり5ドルをチャージするものです。これによって通勤時間が分散され、渋滞のピークが緩和されるとのことです。導入には法律やインフラの構築など2〜3年かかるとの事で、市としては2026年の地下鉄開通までには導入したいとの考えです。しかし市長の考えは別で、2026年ではなくとにかく早い段階で導入したいと考えているようです。個人的な意見としては、多少の分散はあるとしても、モーターウェイの渋滞が緩和された分、一般道の渋滞がひどくなるだけのような気がしますけどね。
2つ目はケーブルカーを導入して渋滞を緩和するという構想です。渋滞料と違って、こちらはまだ構想初期段階。オーストリアに本社を置くドッペルマイヤー社が「都市交通解決レポート」をリリースし、ニュージーランドに10本のケーブルカーを導入する事を提案しました。ドッペルマイヤー社は実現可能性の調査などについて、今後交通局などとの連携を図りたいとの声明を発表しています。10本の内訳は、オークランド3本、ウェリントン4本、クライストチャーチ2本、クイーンズタウン1本です。基本的には空港と街中心部、もしくはハブを結ぶ路線となっています。ドッペルマイヤー社によると、1時間当たり最大で3000人の輸送が可能で、1時間8000人の輸送が可能なバスには劣りますが、補完サービスとしては十分に機能するとの考えです。また建設費用もライトレールの3分の1、地下鉄の10分の1と非常に安価で、建設中の交通規制なども最小限に抑えられます。世界各地でケーブルカーを建設してきたドッペルマイヤー社のノウハウを生かし、ニュージーランドにも新たな交通機関ができるのでしょうか?ちょっと楽しみではあります。
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