ニュージーランドの教育
ニュージーランドの義務教育は5歳〜16歳。99%の子供達は学校で勉強をしていますが、残りの1%は自宅で勉強をしています。これはホームスクーリングと言われ、法律で認められた制度です。この1%を多いと見るか少ないと見るかは意見が分かれるところではありますが、コロナの影響もあり少しずつ増加しています。今回はホームスクーリングについて書いていきたいと思います。ちなみに日本では「親が子供に教育を受けさせる」事を義務としていますので、保護者が自分の事情や信念で学校に行かせずホームスクーリングをすることは違法となっています。
このホームスクーリング、誰もが勝手にできるわけではありません。まずは教育省が作成している保護者向けのホームページで詳細を確認し、14ページに及ぶ申請書を作成、提出し、教育省から学校に行かず自宅で教育をする許可を得なければなりません。申請書には、教育哲学、アプローチ方法、カリキュラム、教育分野、科目、参考資料、教材、目標、ビジョンなどかなり詳細に記載をしなければなりません。また教育の進み具合をどのように測定していくのか、目的達成をどのように確認するかなども問われます。審査には通常4〜6週間を要し、審査期間中は学校に通わなければなりません。一定の基準をクリアすると、教育省から免除証明書が発行され、ホームスクーリングが許可されます。国が制度として行なっているので、教育に掛かる費用の一部が補助金として支給されます。金額は子供の人数によって変わってきますが、1人目が年間769ドル、2人目が年間654ドル、3人目が年間538ドル、4人目以降が年間385ドルとなります。
補助金以外にも、リソースやアドバイスなど政府からの支援があります。また政府の人間が電話や家庭訪問などで、計画通りに進んでいるか定期的にチェックをしています。申請をして許可をもらう必要がありますが、学校に通ってみてからホームスクーリングに変更することも可能ですし、逆にホームスクーリングから学校に戻ることもできます。もちろんホームスクーリングでも、高校で取得する単位認定資格のNCEAなども取得可能です。各地にはホームスクーリンググループがあり、情報交換や交流なども行なっています。ホームスクーリングの場合学校と違って周りに友達がいないため、こういったグループでスポーツやゲームを通して友達を作ったりするようです。ホームスクーリングを選択している子たちは不登校などによるものではなく、保護者が学校より質の良い教育を受けさせたいからという理由が多いようです。
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